子育て支援をするＮＰＯ活動団体等の相互交流を促進することで、団体間の連携を推進し、いわき市内の子育ち・子育て支援活動を充実させることを目指して活動していく。

　広域多核市である当市の子育て支援を巡る現状では、支援を必要とする方にその選択肢を周知し、実際に何らかの支援に繋げられているとは言いがたい。それは、育児支援団体及び活動の実態が点在・偏在して見えにくくなっているため、情報が届かず活用されない、その結果、団体活動が広がっていかない、という悪循環を生み出していると思われる。また、各団体はそれぞれ智恵を絞り工夫を凝らして精一杯活動している訳だが、メンバーの高齢化やライフステージ・家庭状況の変化による活動継続するための人手・場所・資金が慢性的に不足している団体も少なくない。

　そこで、支援の需給課題を解決し、子どもにかかわる地域資源の確保促進を図るために、これまで、いわき地域での実施・実効に至らなかった、子どもにかかわる地域相互支援のネットワーク化を図ることは意義がある。まずは、団体間の交流を深めることにより、団体相互の理解不足を払拭することが出来、さらに各団体の専門性や独自性を保ちつつも、弱いところや足りないところを補い合えることで、より細かく多様な支援(支縁)体制を築くことができ、「新しい公共」としての市民活動にも繋がる。

　また、平成２３年度に行った２つの調査（資源調査と未就園児を持つ保護者の方へのニーズ調査）において確認できたこととして、多くの母親が実の両親から子育てを助けられているために、他人や行政による育児支援をそれ程要求していない、という事実も明らかになった。現代の社会状況と震災後の環境を踏まえ、改めて、子どものよりよい育ちについて真剣に考え、子どもと育児に対する意識を高めていくことも地域の抱える重要な課題と捉え、取り組んで行きたい。